見解・方針等

【書記長談話】「2013年人事院勧告について」【2013年8月8日】

2013年09月17日

2013年人事院勧告について(談話)

                                               2013年8月8日                                                         日本医療労働組合連合会

 書記長 中野 千香子

人事院は8月8日、国会と内閣に対し、職員の給与に関する報告ならびに国家公務員制度改革等に関する報告、配偶者帯同休業制度(海外勤務する配偶者に帯同するための休業)に関する意見の申し出を行いました。

 人事院は、月例給の官民比較について、「賃下げ法」による減額前の較差と減額後の較差を算定し、減額後の給与が民間に比べて7.78%(2万9,282円)も低いことを確認しながら、減額前の給与額(俸給表上の額)の官民格差が小さいとして、昨年に続いて月例給、一時金とも改定を見送りました。

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 日本医労連は、この間、全労連・春闘共闘や公務労組連絡会とともに、憲法違反の「賃下げ法」による賃金削減と、独立行政法人や大学法人、地方公務員等に対する不当な賃下げ強要に反対し、賃上げ・内需拡大による景気回復、医療・介護・福祉労働者の賃金・労働条件の抜本改善等を求めて職場・地域で運動を展開してきました。?

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 人事院が「賃下げ法」による減額措置を「東日本大震災という未曾有の事態に対処したもの」として容認し、実額比較に基づく改善勧告を行わなかったことは、労働基本権制約の「代償機関」としての責務の放棄に他ならず、厳しく抗議するものです。

 また、人事院は、再任用職員の賃金水準や生活関連手当の適用についても先送りし、切実な要求である非常勤職員の賃金引上げや休暇新設などにも一切言及しませんでした。「官製ワーキング・プア」を放置する人事院の姿勢は極めて問題です。

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 一方、人事院は、社会経済情勢が急激に変化しているとして、「給与制度の総合的見直し」の検討を行うことを表明し、民間の組織形態の変化への対応、地域間、世代間の給与配分のあり方、職務や勤務実績に応じた給与、技能・労務関係職員の見直しなどを打ち出しています。

 この間繰り返されている人事院勧告に基づかない賃下げや、退職手当の大幅削減など、一方的な不利益変更は、国民のいのちとくらしを守るために第一線で奮闘している多くの公務労働者の生涯設計を狂わせる暴挙であり、「賃下げ違憲訴訟」の勝利、憲法とILO勧告に基づく労働基本権回復を勝ち取るたたかいが重要性を増しています。

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 日本医労連は、13秋・全国一斉「いのちまもる地域キャラバン行動」で、安倍政権による憲法改悪や社会保障の全面改悪を許さず、夜勤改善・大幅増員、安全・安心の医療社会保障を求める運動に取り組みます。賃下げの悪循環を断ち切り、全ての労働者の賃上げと雇用の安定を実現するたたかいに結集し、医療・介護・福祉労働者の賃金改善と安全・安心の医療・介護の実現にむけ、引き続き、全国の職場・地域で奮闘していきます。

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給与等の報告に関する骨子⇒2013.pdf

公務員制度改革骨子⇒seidokaikaku2013.pdf