2014年08月07日
2014年人事院勧告について(談話)
2014年8月7日
日本医療労働組合連合会
書記長 三浦 宜子
人事院は本日(7日)、一般職国家公務員の賃金等について、官民較差「1,090円、0.27%」に基づく月例給改定、一時金の0.15月引きあげ、通勤手当の改善、非常勤職員の休暇制度改善等を内容とした勧告・報告を行いました。
一方、民間賃金が低い12県を基準とした2%の賃金水準の引き下げ、地域間格差の拡大につながる地域手当の18%から20%への引上げ、50歳代後半職員の最大4%の賃下げ等を内容とする「給与制度の総合的見直し」も勧告しました。
7年ぶりのベア勧告は、賃金改善を求める粘り強いたたかいの反映ですが、消費税増税や物価上昇で実質賃金が大幅に目減りしていることを考えれば、非常に不十分な引き上げ幅です。さらに「給与制度の総合見直し」と称して、労働基本権の「代償措置」たる人事院が賃金制度の大改悪を打ち出したことは、断じて容認できません。
医療・福祉労働者の賃金は、他産業に比べても低く、低すぎる賃金が離職の大きな要因となっています。地域間格差の拡大やベテラン職員の賃金切り下げは、労働者の離職に拍車をかけ、人員確保をますます困難にし、地域医療の崩壊をまねきかねません。
日本医労連は、14春闘で、景気回復の決め手は労働者の賃上げであり、生計費原則に立ち返って労働者の生活を維持改善できる大幅賃上げを求めて奮闘してきました。また、医療・福祉労働者の賃金に大きく影響する公務員賃金の改悪阻止、医療・介護・福祉労働者の賃金・労働条件の抜本改善を求めて、地方人事院事務局への要請や炎天下の人事院前座り込み等、全労連・公務労組連絡会に結集してたたかってきました。職場・地域からの運動が、当初人事院がねらっていた行(二)職員(調理師、電気、ボイラーなど)の大幅賃下げ等の改悪をはね返し、通勤手当や非常勤職員の休暇制度の改善等の前進も引き出しました。
引き続き、官民一体のたたかいを強化し、「給与制度の総合見直し」の中止、地方公務員や独立行政法人等への改悪の押し付けを許さないたたかいを強化します。また、今年の目安最賃の答申は、平均16円の引上げとなっていますが、物価上昇分をふまえれば実質マイナスです。引き続き、各県での地域別最低賃金の改善を求める運動を強化し、賃金の底上げ、非正規雇用労働者の賃上げを重視して運動を強めます。
国民の声を聞かず暴走する安倍政権は、戦争する国への動きを加速させるとともに、憲法25条を空洞化させる社会保障の解体攻撃を強めています。
日本医労連は、14秋「いのちまもるキャラバン行動」で、安倍政権による憲法改悪や社会保障の全面改悪を許さず、夜勤改善・大幅増員、社会保障の拡充を求める運動に全力で取り組みます。賃下げの悪循環を断ち切り、全ての労働者の賃上げと雇用の安定を実現するたたかいに結集し、医療・介護・福祉労働者の賃金改善と安全・安心の医療・介護の実現にむけ、引き続き、全国の職場・地域で奮闘します。