2015年01月05日
あけましておめでとうございます。
昨年は、安倍暴走政治ストップの国民的共同が発展した年でした。国民過半数の反対の声を無視して強権的に進めるやり方に、政治的立場の違いを超えた多くの人々が声をあげ、行動に立ちあがりました。
年末に行われた総選挙では、過去最低の投票率で安倍自公政権が議席数の3分の2を占める結果となり、「政治をかえよう」と棄権防止を訴えた私たちの声は、政治不信に打ちのめされた人々を変えるまでには至りませんでした。しかし、沖縄では新基地反対等の建白書で一致した保革を超えた共同候補が全選挙区で当選し、県民を裏切った議員に審判を下しました。
今後、政府は派遣法大改悪の再提出や「残業代ゼロ」などの労働法制大改悪、集団的自衛権行使に向けた関連法制定など悪法を出してきます。沖縄の勝利を教訓に、さらに国民的共同を広げ、運動と一斉地方選挙における国民要求実現の勢力の躍進に奮闘しましょう。
日本医労連は、昨年5月にILO・フランス、11月にオーストラリア視察を行いました。視察で明らかになったのは、日本の異常な働かされ方です。16時間以上の夜勤や、インターバル8時間未満、1人夜勤などは、人のいのちをあずかる医療・介護にはあり得ない体制です。ILO看護職員条約に関わる専門官は、「人員不足をオーバーワークで補う悪循環は断ち切らなければならない」と断じました。
またオーストラリアでは、看護職員と患者の比率を堅持し、暴力や腰痛からも看護職員を守るための施策が整備されています。低賃金が放置されているのも、労働条件が劣悪なのも大本の原因は1つ、医療・社会保障を軽視する日本政府の姿勢です。ベアによる大幅賃上げ、社会保障改悪阻止のたたかいと共に、夜勤改善・労働時間規制を何としても進めたいと思います。
今年はひつじ年。ひつじは、聴力も視力も良いのだとか。水平に細い瞳孔が優れた周辺視野を確保し、頭を動かさなくても自分の背後が見えるのだそうです。また、暗い方から明るい方に移動する習性もあるそうです。私たちも仲間の声に耳を傾け、視野を広くもち、仲間とともに明るく元気に楽しく運動し、人間としてあたり前の賃金・労働条件を実現しましょう。
日本医労連中央執行委員長 中野千香子