雇用守れ!働くルール確立!
病院給食の委託、センター化反対に向け
産別全体での大学習運動(9〜10月)を!
 日本医労連は9月より秋闘の重点課題として「業務委託、センター化問題」パンフを活用した大学習運動を提起し、9〜10月期に集中してパンフの大量普及と、各加盟組織・職場段階での「給食対策委員会」と連携した産別全体での大学習運動の展開を次のように呼びかけています。
 ‐現在、公的病院では政府の医療リストラの中で、給食など現業部門の業務委託が加速化され、また民医連・生協法人では病院リニューアルや新たな事業展開に伴う「院外調理・センター化」が急展開しています。
 全国的な業務委託及びセンター化の流れを押しとどめられなければ、今後、国内病院給食部門の大半が、大小の給食会社に委託化され(センター方式も別会社への委託であり同様)、最終的に外資と連携した大手資本の傘下に組み込まれていくことは必至です。
 いま、我々給食部門の労働者が、出足早く秋の大学習運動に取り組み、日本医労連・全国組合・県医労連に結集して闘うことが真に求められています。全組合役員・給食職場全体が他職種も含めた団結で産業別労働組合に結集し、業務委託、センター化の流れをはね返す大運動を職場から力強く展開していきましょう。

委託では給食の質の低下が避けられない

 次に委託実態調査の結果から問題点を探ります。
 ‐病院側が委託する動機は経費削減と労務管理軽減にあります。今の低い診療報酬・請負単価の中で受託企業は、人件費抑制のため熟練労働者を排除し、派遣・パートを多用します。
 美味しい食事は「技術」が必要ですが、委託会社の派遣調理師やパート職員は、病院職員の半分以下の低賃金や劣悪な労働条件の下で働かざるを得ず、複雑な調理を要求される病院食に、数ヶ月で辞めていくのが通例です。「今日は誰が来るのか」という実態では、病院給食に適した技能向上や熟練以前の問題です。

安全性と質が問われる「センター方式」

 ‐センター方式は、(1)医療機関の責任性の後退(2)病院給食の質的低下(3)チーム医療の後退(4)営利化の促進など業務委託の基本的な問題点を根底にもち、さらに日本の病院給食の充実・発展に適さないシステムとして、病院食に不可欠な治療食・安全性・個別対応の面での基準が依然としてクリアされていないという問題を抱えています。
 学校給食のセンター化の安全性と質が問われている現在、病院給食センターでの大規模食中毒の発生は危険極まりないものです。後進的な日本の安全衛生管理体制の下で、人手減らしによる経費削減を主目的としたセンター方式を導入する事は、安全性の面から大問題で、医療労働者としてこれを阻止することは当然です。
(以上、日本医労連病院給食対策委見解より)


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 「食の安全」や「スローフード」の提唱、あるいは日本食を再び見直そうとする動きが強まる中、日本の豊かな食文化にそぐわない、画一化したセンター方式や業務委託の拡大が歯止めなく広がる事の危険性を、今職場から広く訴える時です。