04春闘 【鹿児島医生協】
武器(経営分析)・粘り・団結が ベア・一時金上積み

 04春闘は、低迷する世間相場を理由に、団体交渉を重ねても一次回答がほとんど動かず、3回目の交渉が終わった段階でこう着状態に陥りました。執行部は、当病院の経営を正確に見極めることが重要と判断。日本医労連に相談し経営分析の専門家・山口孝先生(明治大学名誉教授)に経営診断を依頼しました。そして、その結果をもとに、山口先生を招いての「経営分析学習会」を開催、経営幹部も含めて60名の職員が参加しました。学習会では、「鹿児島の経営は極めて順調である」ことが明らかとなり、その結果を組合ニュースで全職員に報告。以降の団体交渉に向けて大きな手ごたえを感じることができました。そして迎えた4回目の団体交渉には、157名の組合員が結集、生活や労働条件改善などの切実な発言が相次ぎ、深夜に及んだ交渉で、ベア50円、一時金0.06ヶ月の上積み、鴨池生協CLデイケアの増員、センター病院救急外来の三交替勤務の試行とその後の見直し、谷山生協CL検査技師の実質増員などについての回答を引き出しました。組合員と協議し、「一時金の昨年実績到達はできなかったが、ベアの獲得と最も切実だった労働条件の改善を勝ちとれた」ことを最大限評価し、04春闘解決の方向を確認しました。
 今年の春闘を振り返って執行部は、厳しいながらも貴重な成果を勝ちとれた要因として、(1)理事会の経営危機論に流されることなく、専門家による経営診断によって労組側に正確な判断が備わったこと(武器)、(2)最後まであきらめず交渉のたびに現場の組合員が発言し続けたこと(粘り)、(3)団体交渉に多くの組合員が結集し、団結の力で理事会を動かしたこと(団結)の3点がポイントだったと考えています。そして、いかに困難であろうと、要求に確信を持って粘り強くたたかいぬくことが、厳しい情勢を切り開く原動力であることを改めて実感した今年の春闘でした。
(平良書記長 記)