安全・安心の医療を 全国から950人が参加
第32回医療研究全国集会

 「国民と広く連帯し、患者と医療労働者の人権・生命の尊厳を守ろう」をスローガンに、第32回医療研究「全国集会」が6月17日〜19日、福岡県博多市で開かれ、全国から約950人の仲間が参加しました。
 1日目は「全体集会」。2日目は看護や臨床検査、病院給食など19の「分科会」。3日目には、「安全、安心の医療・看護の提供のために」と題するシンポジウムもおこなわれました。
 集会は、郷土民謡や地元福岡県医労連の仲間25人による「炭坑節」でオープン。主催者を代表して田中千恵子実行委員長が挨拶、(1)憲法を守る、(2)安全・安心の医療・福祉の確立、(3)地域医療充実などの運動強化を呼びかけました。
 来賓の住江憲勇氏(保団連副会長)は、「日本の社会保障・医療保障は、その制度の存在にかかわる危機に直面している。国民の所得格差と貧困化も進行している。共同してたたかおう」と訴えました。福岡県医労連・如田道開委員長(代行)が、歓迎の挨拶。
 前川昌人副実行委員長が「基調報告」。政府の医療政策による国民医療の後退や、度重なる増税政策と、憲法違反の年金・医療・福祉など社会保障の一体的改悪への策動、さらには来春に予定される医療保険制度「改革」をめぐる情勢について報告。(1)憲法と「いのちと平和」を守る運動の強化、(2)医療事故対策の強化と安全・安心の医療の確立、(3)利用者の尊厳を守る介護保障、(4)地域医療の確立などを強調。職場・地域から医療と福祉を守り改善する運動の強化を訴えました。
 作家の池田香代子さんが、「世界がもし100人の村だったら〜平和を求め、憲法を守ることを強く願う〜」と題して記念講演、憲法を深くやさしく話され、参加者は感銘。
 また、特別報告として、「地域医療を担って〜大戸診療所(群馬県)の10年〜」(今野義雄事務長)、「労災病院の存続をめざす患者・住民、職員の闘い」(全労災の仲間と「守る」会の方々)が行われました。
 2日目の「分科会」には約800人が参加。
 「重症児(児)の医療と福祉」分科会では、国会で一つの焦点となっている「障害者自立支援法」の影響や対応について論議。看護の分科会では患者の立場に立った論議が熱っぽく行われ、「臨床検査」では、業務委託への対応や、検査技師の採血業務や宿直問題について論議。「病院給食」では、患者中心のおいしい給食づくりの貴重な実践など13のレポートが報告されました。「病院政策づくり」では、労組としての各病院の基本政策づくりの経験の報告とともに、医師不足問題などの議論が行われました。
 最終日の「シンポ」では安心、安全の医療・看護の提供のために、職場の民主主義と増員の必要性が強調されました。末永広司副実行委員長がまとめと閉会の挨拶を行い、集会の成功を確認しました。