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看護基準の「類上げ」テコに春闘回答の前進を−愛知県医労連 |
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看護基準の類上げで看護師増員
愛知の尾張健友会労組は、「2.5対1」看護から「2対1(新10対1)」への類上げで、急性期病棟100床で、約10名の増員回答を引き出しました。
今回の診療報酬改訂は、全体に3%強の報酬ダウンが行われる一方で、看護基準の「類上げ」を行った場合には、増員での人件費増はあっても、マイナスをカバーし収入増となることから、診療報酬への対応が個々の病院の発展を方向づけた形になっています。
500床を超える大学病院や自治体病院はもとより、300床前後の民間の南生協病院、みなと生協病院も、法人側は労組に「2対1」への類上げ回答をしています。尾張健友会は200床クラス規模の病院ですが、思い切って急性期にシフトし、生き残ろうとの決意の現れと労組も受け止めています。看護師確保対策の動きの中で、今年の春闘回答は昨年から変化が現れています。
春闘回答に変化 「辞めさせない病院」が発展の道
愛知では、いま春闘回答でいくつか法人から明確に看護師の確保を目的としたベア、一時金プラス回答が出されてきています。刈谷豊田総合病院では+900円のベースアップ回答で妥結。大・中規模病院だけでなく、50床の小規模病院の北医療生協でも看護師に最大4000円の手当てアップと、パートにもベア+20円(夜間勤務者)を回答。
産科単科の堀尾安城病院労組も夏一時金で昨年より0.3ヶ月アップの2.3ヶ月回答を引き出しました。精神単科300床の南知多病院労組は、組合結成後はじめての春闘で、看護職に一律2500円のベースアップを獲得しています。同労組では、愛知で秋に一斉に実施した「看護職員の労働実態調査結果」を活用し、隣市の同規模の精神単科病院で半田市にある「一ノ草病院」の調査結果と比較、退職理由が賃金の低さにあることを要求書で指摘しました。その資料を提出し、回答を引き出しています。
セオリーどおりに真正面から低賃金の実態改善を掲げ、「辞めさせない回答が病院発展の道だ」と強調して理解を訴えた結果が、成果に結びついています。
看護労働実態調査で、ベア・増員・サービス残業解消へ
いま、回答延期労組も数ヶ所残していますが、日本医労連の提起である、@ベア、A一時金アップ(愛知県医労連では県内平均4ヶ月以上をめざす)、B増員、Cサービス残業解消、やめさせないための改善を、「看護労働実態調査」の結果を大いに活用し、前進回答を引き出そうと呼びかけています。
(愛知県医労連書記長 原英彦)
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