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【声明】国民の生存権を脅かす社会保障への国の責任放棄は断じて許されない!
― 地方六団体による社会保障切捨ての「改革案」に強く抗議する ― |
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2004年9月28日
日本医労連中央執行委員会
全国知事会など地方六団体は、「三位一体改革」にからみ、社会保障関係で9,444億円もの国庫補助金を削減して、税源移譲する案(「国庫補助負担金の改革案」)をまとめ、小泉首相に提出した。
この中で特に医療・保健衛生分野においては、「保健医療施設整備費・運営費」や「小児・救急医療対策費」「へき地医療対策費」、さらには「看護師などの医療関係者養成確保対策費」など、5,000億円を超える国の施策が削減移譲対象となっている。また、介護予防事業など「高齢者対策」の補助金・負担金は、04年度予算ベースで2,563億円が21億円に激減され、国が担う事業は1%にも満たなくなる。さらに「改革案」は、「保育所運営費」を2,670億円削減移譲することや「児童福祉対策」も国の事業規模は約3%に縮小するなどとしており、医療・介護・福祉・保育の分野に甚大な影響を与える内容となっている。
これらの医療、介護、福祉など社会保障は、国民の生存権と国の責務を明記した憲法25条に基づき、国が本来責任を持つべきものであり、その削減・移譲は国の社会保障に対する責任放棄のなにものでもない。
ましてや、「税源移譲」によりこれまでの財源と施策が全て地方に移譲できるかどうかの保障が全くないばかりでなく、地方移譲になった場合、現在の地方財政の危機的状態の下では、全国的に医療福祉施策の格差が大きく生まれる可能性もある。
いま多くの労働者・国民は、長時間・過密労働と生活苦の下で、心と身体の健康が危ぶまれ、「いつでも、どこでも、誰もが安心して安全な医療を受けられる」ことを求めており、そのための国と地方の医療・福祉施策の充実こそ切望している。
そして、私たち医療労働者をはじめ医療・福祉に働く人達は、患者・国民の切実な願いに応えるべく、日夜奮闘しつつ、同時に政府・財界のこの間の医療・社会保障の相次ぐ改悪攻撃とたたかい、国と自治体に医療と社会保障の充実を求め奮闘している。
今回出された地方六団体の「改革案」が患者・国民と医療・福祉関係者の願いに逆行していることは、地方六団体の協議での紛糾や日本医師会・日本看護協会・日本病院会など医療・福祉関係など多くの団体・労働組合、政党が反対を表明していることにも現れている。
私たちは、医療・社会保障における国の責任を放棄、大幅に縮小する今回の「改革案」を断じて容認することはできない。また、憲法に保障された国民の生存権を守り、国が公的責任を果たすためにも、多くの医療・福祉関係団体や患者・国民と共に断固たたかうことを表明する。
同時に私たちは、地方六団体が地方自治を守り、住民の医療・社会保障を充実させるため、「小泉構造改革」「三位一体改革」に反対し、「改革案」を撤回することを強く求めるものである。
以 上
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