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日本医療労働組合連合会 〒110-0013 東京都台東区入谷1-9-5 TEL03-3875-5871 FAX03-3875-6270 地図はこちら |
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【談話】厚生労働省の「医療制度構造改革試案」に抗議する |
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2005年10月20日
日本医療労働組合連合会
書記長 西川 活夫
厚生労働省は10月19日、「医療制度構造改革試案」を公表した。その内容は、高齢者をはじめ国民全体に新たな負担をおしつけるなど、日本の医療のあり方に大きな影響を与えるものである。
「試案」は、高齢者の医療費自己負担を大幅に増やす方向を打ち出しており、これまで社会保障が連続して後退させられる下で、支出を最大限切りつめてくらしている多くの高齢者の生活を不安に陥れるものである。また、今回は、「70歳以上の長期入院」に限定しているものの、食費・居住費(部屋代)も原則自己負担としており、いずれ入院患者全体に拡大してくることは必至である。
これでは「皆保険の堅持」は形式だけで、国民皆保険制度を根底から切り崩すものとなる。また、保険制度を再編して、都道府県単位に医療費の抑制を競わせ、医療費が高いところには「罰則」(ペナルティー)を課そうとしているが、国民医療と国民の生命に対す国の責任を大きく後退させるものである。
さらに、医療費の伸びを経済指標とリンクさせ、医療費を抑制しようとしているが、「必要な医療サービスの確保」が困難になることは明白である。そのうえ診療報酬のカットなどという提起にいたっては、医療機関の経営危機を誘発するとともに、今でさえ深刻な医療現場の労働条件がさらに切り下げられかねない。現場では、増員のない中での入院日数の短縮や医療の高度化により、過密労働、医療事故の不安等により、看護師等の退職が相次ぎ、一刻の猶予も出来ない事態が進行している。まさに日本の医療の崩壊につながりかねない危険な状況となっているのである。
今回の「改革試案」は、「改革」の名に値しないばかりか、戦後培ってきたわが国の医療保障制度を崩壊に導くものである。日本医労連は、今回の「試案」に強く抗議するとともに、国民との共同を広げ、医療制度の改悪を許さないたたかいに全力をあげるものである。また、安全・安心の医療体制を実現するために、「看護師をはじめとする医療労働者の大増員闘争」を大きく展開する決意である。
以 上
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