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見解・談話等
【声明】診療報酬のマイナス改定に抗議する
                           2006年2月24日
                           日本医労連中央執行委員会

1、2月15日の中医協において、診療報酬の2006年度改定内容が決定・答申され、医療費抑制一辺倒の論理から、政府による本体1.36%(薬価等1.8%)のマイナス改定が押し付けられました。患者・国民に提供される医療内容と療養環境を低下させるとともに、看護職員等の劣悪な勤務実態の改善と医療労働に対する正当な評価を求めた私たちの要求に背を向けるものであり、強く抗議するものです。

1、看護配置基準については、18年ぶりに「1.4対1(実質配置7対1)」配置が新設されるなど、若干の引き上げが盛り込まれました。私たちの運動と「看護現場は大変。安全のためにも増員が必要」という世論の力が、マイナス改定の中でも政府・厚生労働省に手を打たざるを得なくさせたものと言えます。しかし、限界を超えるような超過密労働という現場実態から見れば、不十分な内容です。安全でゆきとどいた医療を実現するためにも、諸外国に比べて極端に少ない看護職員等の配置基準全体の抜本的な引き上げを求めるものです。

1、今次改定の最大の特徴は、医療費抑制策を強引にすすめるため、病床削減をねらったいっそうの機能分化や平均在院日数短縮などを強制する内容となっていることです。長期入院の評価が大幅に引き下げられており、在宅等の基盤整備も整わないままに、患者の追い出しが加速されるとか、地域の身近な医療機関の閉鎖という事態にもなりかねません。

1、とりわけ、療養病床については、医療制度「改革」法案に短兵急に盛り込まれた療養病床再編方針(2012年3月末の介護療養病床廃止など)と連動し、「医療の必要性の低い患者」の医療の評価が老健・特養並みに引き下げられました。このままでは療養病床の大幅な閉鎖が起き、行き場のない患者が大量に生まれかねません。政府は国民・関係者とのまともな論議もなく強行決定した療養病床削減方針を撤回し、国民の声をよく聞いて再論議すべきです。

1、病院の初診料を除き、初診料・再診料が引き下げられました。初・再診料は医療機関(特に診療所)の収入の基本であり、医療内容の後退につながる引き下げは容認できません。また、包括評価は粗診粗療の懸念が拭えないだけでなく、方法もいまだ研究途上であり、DPC支払対象病院の拡大など、包括評価の拡大は止めるべきです。

1、今次改定では、適時・適温や選択メニューの加算廃止、特別食加算の引き下げ、1食あたりへの費用算定単位の変更など、入院時食事療養費が大幅に引き下げられるとともに、検体検査実施料の全般的引き下げ、リハビリ算定日数の規制などが強行されました。これらは良質な医療提供を阻み、患者の入院環境の悪化を招くものであり、見直しを求めるものです。

1、医療機関の経営の保障を通して、患者に良質な医療を提供することこそ、診療報酬の本旨です。その方向での見直しを求め、私たちは運動をいっそう強化するものです。そして、医師・看護職員をはじめ医療労働者の過酷な勤務実態を改善し、安全でゆきとどいた医療・看護を保障するため、医療労働に対する診療報酬上の正当な評価を強く求めていくものです。

                                  以   上

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