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日本医療労働組合連合会 〒110-0013 東京都台東区入谷1-9-5 TEL03-3875-5871 FAX03-3875-6270 地図はこちら |
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「医師不足問題に対する私達の緊急要求」を発表しました |
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2006年10月23日
医師不足問題に対する私達の緊急要求
日本医療労働組合連合会
現在、医師不足は地方・都市部を問わず深刻な問題となっており、医師不足で閉鎖に追い込まれる病院や診療科のみならず、地域医療が崩壊する危機的状況も生じている。特に小児科、産婦人科を置く病院が減少しており、地域で分娩ができない、転居せざるをえない事態も生じている。また、救急医療でも、医師不足と財政難を理由に輪番制から離脱した病院が昨年だけで63に上っており、医師不足は、全国・全診療科に及んでおり、国や自治体、関係団体等による「緊急対策」と「抜本的な施策」が求められている。
このような状況の下で、政府も重い腰を挙げざるを得ず、昨年「医師の需給に関する検討会」を発足させ、今年7月報告書を提出したが、その基本は、これまで政府がとってきた「将来は医師過剰、『医師不足』は地域・科による『偏在』」「医療費抑制のためには、病院数・病床数・医師数を減らす必要がある」との論を変えず、当面の「暫定的な医師の養成増」にとどまっており、またその「報告書」に基づいた「新医師確保総合対策」も極めて不十分なものとなっている。
日本医労連は、国民と患者さんの命と健康、地域医療を守るため、そして医師の勤務条件を改善して安全・安心の医療を確立するために、国と関係機関・団体に下記の「医師不足に対する緊急対策」の実現を強く求めると共に、診療報酬の改善と政府がこれまでとってきた「医療費・病院・病床数・医師の削減」の方針を抜本的に改めることを求めるものである。
記
1)医師の養成数を抜本的に増やすと共に、地域への定着のための施策を進めること
国は、「医師の需給に関する検討会報告書」と「新医師確保総合対策」を抜本的に見直し、医師の不足を補い、絶対数を増やすため、当面自治医大をはじめ各大学医学部の定員を大幅に増やすこと。同時に各大学の「地域枠」の拡大や義務年限の延長など、医師の地域への定着のための施策を進めること。
2)現在の医師の不足数、医師の労働実態を緊急に調査すること
国と自治体、地域医療対策協議会などの関係機関は連携して、緊急に各医療機関の医師不足の実態を医療機関や医療労働組合からの意見聴取を含め具体的に調査すると同時に、医師の勤務実態と医師の要求を調査し、現在の医師の不足数、労働実態を明らかにすること。
3)医師の緊急配置、医師派遣のシステムを構築すること
国と自治体、地域医療対策協議会、地域医療支援中央会議は連携して、医師の緊急配置や医師不足の医療機関への医師派遣のシステムを構築すること。同時に、「新医師臨床研修制度」による大学の「派遣医師の引き上げ」をやめ、各医療機関と大学、自治体、地域医療対策協議会などが、協議・連携して不足診療科と医師不足の改善のための対策を進めること。国と自治体は、これらの実行のための予算化を図ること。
4)産科や小児科などの集約化・重点化をやめ、地域で安心して子供を生み、育てられる体制をつくること
地域における特定の科(産科や小児科など)や医療機関の集約化・重点化をやめ、安心して子供を生み、育てられるよう、病院と開業医の連携を密にし、地域の夜間・救急体制を完備させるための施策を進めること。そのために、夜間・救急医療に対する国と自治体の助成や産科や小児科の診療報酬の引き上げなどを行うこと
5)各地域医療圏の医師の養成・配置計画(仮称「医師等需給計画」)を策定すること
医師不足の解消に向けて、国と自治体、大学などが連携をとって各地域医療圏ごとの医師の養成・配置計画(仮称「医師等需給計画」)を策定し、不足診療科と医師不足の改善のための「年次計画」を立てると共に、公的責任による養成、生涯研修制度の確立をはかること。
6)「医師の需給数」の算定は、労働基準法を遵守したものとすること
「医師の需給数」算定には、労働基準法を遵守して「週の勤務時間40時間」「当直回数月4回まで」「当直明けの休みの保障」「救急病院の救急・夜間勤務は3交代制」「休日と年休取得の保障」「女性医師の産休・育休の保障」「病院勤務医の実働換算は65歳」等を加味して算出すること。
7)医師の勤務条件の改善のための緊急対策をとること
国は、当面医師の勤務が、最低「在院時間を全て勤務時間として、超過勤務に対しては時間外手当を支給する」「当直明けの休みを保障する」「週1日以上の休みを保障する」など、各医療機関が医師の勤務条件を緊急に改善するよう指導を強化すること。
8)女性医師が働き続けられるよう、産休・育児期などの対策を進めること
女性医師が働き続けられるよう、院内保育所の完備と国による助成制度、均等待遇による短時間勤務制度の導入や産休・育休・育児期の代替対策、育児休業明けの研修制度などの対策を進めること。
( 以 上 )
PDF(緊急要求およびその他資料はこちら→緊急要求および「政府の医師不足対策の問題点と医師不足対策の緊急性」、ほか参考資料
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