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日本医療労働組合連合会 〒110-0013 東京都台東区入谷1-9-5 日本医療労働会館3F TEL03-3875-5871 FAX03-3875-6270 地図はこちら |
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医療・介護職場への外国人労働者の就労問題についての見解 |
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2009年2月18日 日本医療労働組合連合会
1. 日本・インドネシア経済連携協定に基づき、昨年8月に来日して半年間の日本語研修を終えたインドネシア人看護師・介護福祉士候補者208人が、全国100ヶ所の病院・介護施設で働き始めています。またフィリピンでは、日本・フィリピン経済連携協定の発効に伴い、海外就労を担当するフィリピン海外雇用庁が、5月初旬にも日本に派遣するフィリピン人看護師・介護福祉士候補者の選考手続きに入っています。
グローバル化による「ひと」「もの」「かね」の国際的移動が加速され、日本とアジア諸国等との経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)の締結によって、わが国の医療・介護職場でも、外国人労働者の本格的な就労に向けた動きが始まっています。一方、雇用状況の悪化に伴い、外国人労働者や外国人研修・技能実習生への残業代未払いや最低賃金法違反が多発し、解雇が急増する深刻な社会問題が起きています。
2. 日本とインドネシア、フィリピンとの経済連携協定は、自動車、鉄鋼、工業製品と農水産品の関税を削減撤廃する貿易自由化と、わが国での国家資格取得を目的とした看護師・介護福祉士候補者の受け入れ(入国及び一時滞在)のための仕組みを規定しています。
今回の経済連携協定に基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れは、一般的な外国人労働者への市場開放とは異なり、2国間の協定に基づく特定活動として行なわれています。この特定活動について、看護師や介護福祉士を所管する厚生労働省は、国家資格取得と取得後の就労を目的とする特例的な措置と説明しています。
しかし、看護師・介護福祉士候補者と受け入れ施設との間では、雇用契約が結ばれ、日本の労働関係法令や社会・労働保険が適用されることから、医療・介護分野への外国人労働者の本格的な参入に向けた動きとして、社会的な関心が高まっています。
3. 日本医労連は、わが国の医療・福祉人材確保は、国が責任を持って養成することが基本であり、安易に外国人労働者に依存すべきではないと考えます。
国民の生命・健康・生活を守ることは国の最も大きな責務であり、医師・看護師・介護福祉士等の人材確保は、自国で養成することが原則であるからです。
国は、医療・福祉人材の養成拡充、離職防止、定着のための条件を整備し、必要な人材を確保しなければなりません。
4. その上で、今回のインドネシア人看護師・介護福祉士候補者の就労に当たり、日本医労連は以下の対応を行います。
(1)外国人労働者の人権を守り、基本的な権利の保障、社会保障・教育・住宅等の整備を求めます。外国人労働者と日本人労働者の同等の労働条件の保障を求め、法令遵守を求めます。
(2)外国人労働者の受け入れは、当面、現行制度で在留・就労が認められる「専門的な知識・技術・技能を必要とする職種」に限定し、「権利を守りつつ秩序ある受け入れ」を求めます。
(3)経済連携協定に基づく送り出し・受け入れは、国家間の責任で行ない、日本語研修機関や職業斡旋機関の一元化、研修・就労に当っての管理・監督の徹底を求めます。
(4)外国人看護師・介護福祉士の就労に当っては、「国家資格の取得」「仕事に必要とされるコミュニケーション可能な日本語能力」「日本人と同等の労働条件」を求めます。
(5)政府・関係団体等に、外国人労働者と外国人研修・技能実習生の実態把握を求め、法令違反の一掃、労働条件の改善、研修・実習等の目的に沿った支援措置等を求めます。
(6)労働組合として、外国人労働者と研修・技能実習生の実態把握、相談活動、労働組合への組織化、情報の提供、政府・関係団体等への要請、関係国労組等との交流を行います。
以 上
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