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「第七次看護職員需給見通しに関する検討会報告書」についての見解 |
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2010年12月21日
日本医療労働組合連合会 中央執行委員会
1.厚生労働省は、12月21日「第七次看護職員需給見通しに関する検討会」の報告書を公表しました。検討会は2009年5月に設置されて以来8回にわたって開催、12月9日の第8回検討会での多数の意見を受け、座長(尾形裕也・九州大大学院教授)責任で修正され、公表されたものです。常勤換算での需要数は2011年140万4300人から5年後の2015年150万900人で、9万6600人・約6.9%の伸び率(前回7.0%)となりました。また供給数は、134万8300人から148万6000人と13万7700人・約10.2%の伸び率(前回10.1%)です。充足率は2011年の96.0%から2015年は99.0%に改善するとしました。
2.今後5年間で「実現可能と判断される需要人数について回答された」各都道府県の調査結果は、回収率73.7%(最高99.7%、最低52.8%)でした。結果、最終年の2015年でも150万900人で、日本医労連の要求「200万人以上看護体制」からは大きくかけ離れた数となりました。需給差は、2011年5万6000人不足(充足率96.0%)、2015年でも1万4900人不足(99.0%)で、不足は全く改善されていません。第六次需給見通し最終年の2010年は、供給見通し139万500人・充足率98.9%とされていましたが、実態は2011年134万8300人と4万2200人も少なく、計画が失敗していることは明らかで、有効な改善策を行わなかった国の責任です。検討委員からも、「過去の需給見通しの結果はいずれも実人員とかけ離れており、何度も見通しを立てているのに成果が上がっていない」と厳しい意見が出たのも当然です。
3.日本医労連は2009年末に実施した「看護職員の労働実態調査」で、慢性疲労73.5%、切迫流産34.3%、「十分な看護が出来ている」は8.8%など、看護のやりがいを見失わせ、21.7%が仕事を「いつも辞めたいと思う」と答えるなど離職意識を増大させていることを明らかにしました。また、「2010年度夜勤実態調査」では16時間に及ぶ長時間夜勤の増加、夜勤回数の増加(3交替夜勤月9日以上26.8%、2交替月4.5回以上33.4%)、勤務と勤務の間の休息時間が12時間未満80.7%など、労働実態は過酷さを増しています。この3年間に「ミス・ニアミス経験あり」86.9%の結果もあわせ、看護職員の不足は医療・看護の受け手である国民・患者の安全を脅かす状況になっています。養成数の拡大はもとより、現在就労している看護職員が働き続けられる労働条件を作ることが最も必要です。そのことが、新人看護職員育成にも潜在看護職員の再就業にも有効な成果をもたらすと考えます。
4.検討委員から「看護職員の過酷な労働を改善するには、理想的にはあと2〜3割欲しい」「交代勤務に超過勤務は本来あってはならない」などの意見が相次いで出されました。日本医労連は「夜勤・交替勤務者の労働時間は、1日8時間、週32時間、勤務間隔12時間以上」の実現、第166回通常国会決議「看護職員配置基準を夜勤は患者10人に対し1人以上、日勤時は4人に対し1人以上」等の実現を求め、需給見通し改善、大幅増員を勝ち取るために取り組みます。
以 上
ダウンロードはこちらから ☞ 第七次看護職員需給見通しに関する検討会報告書についての見解
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